ヘブライ人(ユダヤ人)の歴史とは?モーセは杖で海を開き十戒を神から与えられた!

前章の歴史クイズ(復習)→【第4章】ギリシャ・ローマの社会

キリスト教の源流である、神の言葉を託されたヘブライ人(ユダヤ人)の歴史から始めましょう。

前15世紀、エジプトでは60万人のヘブライ人が奴隷とされていました。預言者モーセは彼らをエジプトから連れ出します。シナイ山に登ったモーセは神から十戒(じっかい)を授けられ、前6世紀、ヘブライ人は一神教のユダヤ教を確立しました。

旧約聖書に書かれてあるモーセの生涯と十戒をはじめとする律法について学んでいきましょう。

【第5章Lesson1】中学歴史要点クイズ問題スタートです!

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奴隷とされたヘブライ人(ユダヤ人)はモーセに導かれてエジプトから脱出し、十戒を与えられる。

前15世紀、エジプトでは60万人のヘブライ人(ユダヤ人)が奴隷とされていました。キリスト教の聖典( ① )の「出エジプト記」には、神の啓示を受けた預言者( ② )が民を「約束の地」カナンへと導き、彼が杖で海を開いて民は対岸に渡り、追ってきたエジプト軍は壊滅したと書かれています。シナイ山に登ったモーセは、神から( ③ )を初めとする律法を授かりました。

(  )のことばを答えてみよう!

  1. 旧約聖書と新約聖書とをまとめて、◯◯といいます。キリスト教の聖典です。
  2. 旧約聖書で最も有名なヘブライ人の指導者です。
  3. 神から与えられた律法のうちで最も重要な「十の戒め」です。石版に神の指が書いた、と言われています。
1.聖書
2.モーセ
3.十戒(じっかい)

 

❶「聖書」

ヘブライ語で書かれた旧約聖書にはモーセがシナイ山で神と結んだ契約に基づく律法や預言が書かれてあり、神による天地創造から始まる人類の歴史とヘブライ人(ユダヤ人・イスラエル人)の歴史、さらに詩篇や箴言があります。

新約聖書はギリシャ語で書かれ、イエス・キリストの教えや弟子である使徒の働き、ヨハネの黙示録などがあります。

聖書
12世紀にギリシャ語で書かれた聖書(出典:Wikipedia

❷「モーセ」

聖書「申命記」には「モーセが死んだときは120歳であったが、彼の目はかすまず、気力も衰えていなかった」とあります。モーセの人生を概略40年ごとに分けてみましょう。

(1)誕生から40年の王宮での生活
当時、ユダヤ人の人口増加を抑えようと、ファラオ(エジプト王)は男子の赤子を殺すことを命じました。命を助けようとカゴに入れてナイル川の茂みに置かれたモーセを、引き上げてわが子として育てたのがファラオの娘です。モーセは王になる子として学問・法律・武技など帝王学のすべてを学びました。

(2)エジプト追放から、羊飼いとして暮らした40年
自分はファラオの奴隷であるヘブライ人の子であることを知ったモーセは、同胞の苦役を見てエジプト人を打ち殺し、砂漠を越えてミディアンの地へ逃れ、その地で妻を迎えて荒野で羊を飼う遊牧民として生活しました。

(3)出エジプトを実行し、律法により民を導いた40年
羊の群れを導いた山で、燃える柴の中から「モーセ」と呼ぶ神の声を聞きました。「今、行け。」と神は苦しむイスラエルの子(ヘブライ人)をエジプトから救い出すようモーセに命じました。モーセ80歳です。様々な災害で打たれたファラオはヘブライ人のエジプト脱出をいったん受け入れますが、ヘブライ人が海辺に宿営している所にフォラオの軍勢が追ってきました。モーセが神に祈り、杖を伸ばすと強い東風で海が開いて海底は乾き、ヘブライ人たちは対岸に渡ることができました。追ってきたエジプト軍は海のただ中に投げ込まれた、とあります。

その後40年間、荒野で律法に基づく生活を続けたヘブライ人は、モーセの後をついだ指導者ヨセフのもとでカナンの地に入り統一王国を築いていきました。

*ヘブライ(ヘブル)はユダヤとかイスラエルとも言います。
*聖書にある「約束の地カナン」はパレスチナといわれます。エジプトに移り住む前に住んでいた地でした。現在のイスラエルからヨルダン川の東の地域です。


モーセの十戒(レンブラント絵)出典:Wikipedia

モーセが山から降りてきた時、民が金の仔牛を作り礼拝していたのを見て、十戒の石板を投げつける絵です。

❸「十戒(じっかい)」

将来、メシア(救い主キリスト)を生み出す民族となるヘブライ人が正しく生きるための指針として、神がモーセを通して与えた「律法」の中心部分が「十戒(じっかい)」です。

  1. あなたには、わたし以外にほかの神があってはならない。
  2. 自分のために偶像をつくり、拝み、仕えてはならない。
  3. 神の名をみだりに口にしてはならない。
  4. 安息日を覚えて、聖なるものとせよ。
  5. 父と母を敬え。
  6. 殺してはならない。
  7. 姦淫(かんいん)してはならない。
  8. 盗んではならない。
  9. 隣人について、偽りの証言をしてはならない。
  10. 隣人の財産を欲してはならない。
*アカデミー作品賞をはじめ、7部門でノミネートされた映画「十戒」(1956年制作 セシル・B・デミル監督 主演チャールトン・ヘストン)が有名です。

十戒が書かれた石板を持つモーセ
十戒が書かれた石板を持つモーセ(出典:Wikipedia

コーヒーブレイク

ユダヤジョークです。
「オリンピックの水泳自由形で、イスラエルの選手はどんな方法で泳いだか?次から選べ。」

A.クロール
B.背泳
C.ランニング

ヒント:モーセの出エジプトでの場面を思い出してみましょう。
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ヘブライ人の統一王国はダビデとソロモンで栄える?バビロン捕囚から帰還してユダヤ教が確立。

カナンの地でヘブライ人は統一王国をつくり、前10世紀に( ① )王とその子ソロモンのもとで栄えました。ソロモン王の死後、国は南北に分裂します。前8世紀、北のイスラエル王国はアッシリアに滅ぼされます。南のユダ王国は新バビロニアに滅ぼされ住民は( ② )とされました。50年後に解放され、エルサレムに神殿を再興して一神教の( ③ )を確立しました。

(  )のことばを答えてみよう!

  1. Davidです。英語ではデイビッドです。よくある名前ですね。
  2. 「◯◯◯◯捕囚」です。バビロニア(Babylonia)の首都だから最初の4文字をとって・・・
  3. ヘブライ人=ユダヤ人です。◯◯◯教です。
1.ダビデ(王)
2.バビロン捕囚(ほしゅう)
3.ユダヤ教

 

❶ ダビデ王

少年ダビデは羊飼いをしていました。隣国との争いで巨人ゴリアテに立ち向かう者がいないので、兄たちにパンを届けにきたダビデが「獅子や熊を石で打ち殺して羊を救いました」と王に告げ、戦いに臨みます。ダビデの石はゴリアテの額に食い込み倒しました。

やがてダビデは王となり、「ダビデは全イスラエルを治めた。ダビデはその民のすべてのさばきに正義を行った」とあります。だが大きな過ちもしました。忠実な部下の妻が美しいのに目を止めて、部下を戦場で殺させ、自分の妻としてしまうのです。

「ダビデの行ったことは主のみこころを損なった」とあります。十戒の⑩隣人の財産を欲してはならないに背いている罪だからです。「隣人の妻を欲してはならない。隣人の家、畑、男女の奴隷、牛とろばなど、隣人のものを一切貪ってはならない。」とあります。

これを厳しく咎めた預言者のことばにダビデは「自分は罪ある者です」と激しく後悔しましたが生まれた長男は病死し、また、ダビデが神殿を建造することは許されませんでした。その後、ダビデは優れた王となり40年間イスラエルとユダを治め、息子ソロモンに引き継いでいきました。

ダビデ像
ダビデ像(ニコラス・コルディエ作、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂)Wikipedia

❷バビロン捕囚(ほしゅう)

バビロン捕囚(ほしゅう)によって、ユダヤ民族が唯一の神ヤハウェから離れると、神の罰が与えられて離散することが民族の経験となりました。

ソロモンの建てた神殿が壊されて50年後に帰還したユダヤ人は、エルサレムに神殿を築いて一神教のユダヤ教を確立しました。

律法を守るあまり形式化が進むユダヤ人社会を厳しく批判し、愛の律法を実行していったのがイエス・キリストです。

バビロン捕囚

バビロン捕囚(出典:Wikipedia

❸ ユダヤ教

神は契約を結び律法を守るユダヤ民族を救うという宗教がユダヤ教で、今日のキリスト教、イスラム教の源流となっています。

1948年にパレスチナに建国されたイスラエルには世界に離散していたユダヤ人が集まりユダヤ教の中心地となっていますが、キリスト教徒となったユダヤ人(メシアニック・ジュー)も増えています。

ユダヤ教
ユダヤ教(出典:Wikipedia

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安息日とはなんだろう?今もあるのかな?

律法には「安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ」という神の命令があります。金曜日の日没から土曜日の日没までの間が安息日です。

モーセに率いられた荒野での生活と、ヘブライ民族として統一国家を建設する指針として613項目の律法が神から与えられ、その中でも十戒にある安息日の戒めはもっとも重要なものとされてきました。

「六日間働いて、あなたのすべての仕事をせよ。七日目は、あなたの神、主(ヤハウェ)の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。」として、家族も牛やロバの家畜も休むことで、奴隷も同じように休むことができるとあります。

そして、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そしてヤハウェがそこから導き出したことを覚えておく日とするために安息日を定めた、とあります。

「日曜日は休日」との私たちの習慣も、もとはここからきています。

イエスは、頑なな安息日に固執するユダヤ教の指導者を「偽善者」とよび、「安息日は人のために設けられたものだ。人が安息日のために造られたのではない」「安息日に律法にかなっているのは、命を救うことか、殺すことか!」と問いかけ、安息日に手の萎えた人を治しました。

今日、キリスト教では安息日の規定はなく、「それぞれ自分の心の中で確信を持ちなさい」と言われています。ユダヤ教では厳格に守られており、ヘブライ人の生活習慣の中に根づいています。

コーヒーブレイク

イスラエルの大きなホテルには、ボタンを押すとその階まで行くエレベーターと、各階に止まりドアも自動的に開閉するエレベーターがあります。ボタンを押すことは「労働」なので厳格なユダヤ教徒は安息日にはこちらに乗ります。高層ホテルの場合、偶数階と奇数階に止まるエレベーターもそれぞれあるということです。

モーセの時代にはエレベーターはありませんから、この解釈はあとから何万と付け加えられた口伝律法の一つということです。

次回の歴史クイズ→第5章Lesson2
※順番に読み進めると知識が深まります。

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